日本は今、雪も降るほどの寒い寒い冬である。暖房をガンガンかけながら、心地よい暑さのプーケットでの思い出を執筆するのはなかなかオツなものである。シドニーの思い出を書いているとき、この逆のことを思っていたな、そういえば。
タイ王国へは初めて行く。タイ入国に際し、2025年5月1日からTDAC(タイデジタル到着カード)を申請しなくてはならなくなった。登録可能期間は入国72時間前からで、タイ入国管理局のサイトで入力をする。海外に行くとき、到着前に飛行機の中で配られるあの用紙の代わりである。タイは紙ベースからデジタルベースにしたのである。ちなみにこれ、日本入国の時はまだ紙ベースなので、日本人でも帰国の時は入国カードを記入しなければならない。
このTDACを出発の前日に申請し、ESIMも購入して、現地で現金を引き出すかもしれないことを考えて、クレジット口座に十分な現金が入っているか確認した。大切な準備はこれぐらい。
さて、出発当日。ピーカンの真っ青な冬の空だった。今回初めて使うタイエアアジアのオンラインチックインを昨日済ませたし、機内に預ける荷物もないので、ゆっくりうちを出発すればいいかなとは思っていたのだが、早めに空港に到着して三井住友のラウンジで過ごそうと思いつき、空港に2時間ぐらい前に到着するようにでかけた。
中部国際空港には年末を海外で過ごす人たちでにぎわっていた。いいなぁ、こういう空気感。三井住友ラウンジで読書をしながら朝からビールを飲み、少しゆっくりしてから手荷物検査に向かった。オンラインチェックインで発行されたバーコードの画面をスマホでかざしたが、ゲートは開かず。なんでやねんと思いながら、近くのスタッフに聞くと、中部国際空港ではこれが使えないので、実際の紙のチケットをカウンターで発行してもらってくださいとのこと。そのスタッフ曰く、タイの空港ではバーコードが使えるんですけどね。。と言っていた。だが、もしかしたら機内持ち込みの荷物の実際の重さを確認するためかもしれないなぁと思った。ちなみに機内持ち込み荷物の重量制限は7キロ。
カウンターへ向かったら、待たされることなく紙の搭乗券を発行してもらう。荷物の重さを量ったら7キロぎりぎりであった。ああ、よかった。カウンターで発行されたチケットを持ってゲートでスキャン。無事ゲートは開き、手荷物検査のあと、そのまま出国。
飛行機の中で飲むための水を買い、日本円20000円をタイバーツに両替。1バーツ、5円であった。一昔前は2円だったらしい。現在、どの為替に対しても日本円は安い。この円安はいつまで続くのだろう。
飛行機はオンタイムに離陸。中部国際空港からプーケットへの直行便はないので、バンコクのドンムアン空港で乗り継ぎなのだが、フルフライトであった。みんな暖かいところ、行きたいよね。
航空機の座席は狭く、機内のエンタメもなし。格安航空券を購入したので、機内食もなし。無料の水も出ない(なので空港で水を購入したのである)。ただ人を運ぶだけのフライトである。機内ではスマホにダウンロードしておいた韓流映画を観たり、読書したりして過ごす。周りの人たちが出国後の空港で買ったおにぎりやらサンドイッチやらを食べ始めている。私もお腹が空いてきたのでガパオライスとシンハビールをオーダーする。私の横に座っていた若い男性は出発10:30から到着16:30まで何も食べていなかった。お腹、空かなかったのかな。すごいなあ。
そうこうしているうちにドンムアン到着。乗り継ぎもスムーズにいった。ドンムアンで入国審査だったのだが、入国検査官の女性は、私の前に並んでいた日本人カップルとのコミュニケーションに戸惑っていた様子であった。二人とも猫背なのか背中を丸め、男の子はだぶだぶの黒いパーカーとだぶだぶの黒いパンツ、女の子は髪を金髪に染め、ソールが異常に分厚い靴を履き、爪は今、流行りなのか知らないけれど、凶器のように長く尖っていた。あ、いかんいかん、人は見かけで判断してはいけないのであった。このタイ滞在で愚かな行いや態度を取らず、外見は悪くとも良い日本人の印象をタイの人たちに残してほしいものである。海外旅行に行くということは、日本を背負っていくのと同じことである。
とにもかくにも、初めてのタイ!なんだか気持ちが盛り上がってきたので、空港内のカフェでまたもやシンハビールを。小腹が空いたのでマッシュルームクリームスープのブレッドボウルも一緒にオーダーした。マッシュルームの濃厚な香りとクリームが相まって、ビールによく合った。
ドンムアンからは30分ほど遅れて飛行機が出発。私の隣に座っていた男の子はどこの国のひとだろうか?英語にスペイン語っぽいアクセントがあった気がする。タトゥーを腕に満載に入れ、パッと見はいかめしかったが、感じはとても良い青年だった。そう、人を見かけで判断してはいけないのである。私が先に通路側の席についていたのだが、彼を席に通すために立ち上がったら”Sorry, thank you so much”と腰が低く、私のリネンのストールの上に誤って座ってしまったときも”‘Oh, I’m sorry”と、さも申し訳なさそうにしていた。私と一緒のユニクロのボディーバッグを持ち、ミンティアを食べていたし、sorryがさらっと出るし、もしかしたら日本在住かもしれぬ…などと、いろいろ考えていたらあっという間にプーケットに到着。
プーケット!プーケット!!ようやく来たわ!!南国特有の甘い香りを含んだ暖かい空気が私を迎えてくれる。
予約しておいたタクシーに乗り込み、ホテルに22:00ごろ到着。ホテルまで1時間ほどかかったが、タクシー料金は3000円そこそこ。安いなあ。
プーケットで一番規模が大きくにぎわっているエリアはPatong(パトン)である。プーケット随一の繁華街でショッピング、ナイトライフが充実しており常にエネルギーが満ちている街だ。日本のガイドブックは、プーケットといえばパトンという感じでパトンのことは詳しく網羅しているが、他のエリアのことはあまり詳しく書かれていないものが多い。
今回、私が過ごしたKataエリアはビーチが美しく、喧噪から離れてゆったりと過ごしたい人たち向けのエリアである。私がカタを選んだ理由はとてもシンプル。予定を詰め込まず、ただゆっくりと過ごしたかったから。何かを「する」旅ではなく、何もしない時間そのものを味わう旅にしたかったのである。旅行中、娘を空港まで迎えに行くためのバス停で、イタリア人男性と出会った。その人はパトンにホテルを取ったがKataが気に入って毎日バスで来ているとのことだった。ビーチの美しさが違うんだよとしみじみ言っていた。
ホテルのスタッフたちが両手を胸の前で合わせ満面の笑みで”サワディーカァ~~ップ”とあいさつしてくれる。ああ、これよこれ!タイ語の音には本当に癒される。こちらも笑顔で”サワディーカァ~~ップ”とあいさつを。
フロント目の前の、青い夜のプールがとても美しい。プールサイドのラウンジチェアに横たわり、パラソルの下でビールを飲みながら読書をしている自分の姿が容易にヴィジュアライズされる。
宿泊施設はヴィラ形式の1階建ての建物が、大きなプールを取り囲むように建てられており、部屋から直接プールにアクセスできるようになっている。
男性スタッフに部屋に通される。ダークウッドを基調としたその部屋は、元旦にプーケットに到着する娘と二人で滞在しても広さは十分、ベッドはキングサイズでひろびろとし、シワのないピーンと伸びた真っ白なシーツは清潔感満点である。バスルームも広くて使い勝手が良さそう。この部屋、好き!と直感的に思った。
早速、ノースリーブのワンピースに着替えて、遅い夕飯を食べるためのレストランに向かう。22:30過ぎているのに通りには人が多い。みんな、年末バカンスモードである。ホテルにほど近いレストランでパッタイとタイガービールをオーダー。本場のパッタイである。ああ、なんて美味しいの。ビールがすいすいと進んでしまうではないか。
会計をすませてから、少し街を歩いてみようかと思ったが、さすがに疲れていたのでホテルの部屋に戻った。タイは日本より2時間遅れの時差があるので、日本時間だと夜中の2時ごろである。こんな遅くまで起きてること、最近全くない。
シャワーを浴びてから、素っ裸で速攻真っ白なシーツに潜り込む。ひんやりとしたシーツが私の身体を包み込む。ああ、幸せだ。。そのままストンと深い眠りに落ちた。


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