50代女性 夏のヴァケーション ~シドニーでの思い出⑤~

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この日も娘は朝からの授業を受けるために出かけて行った。お昼前にいったんうちに帰ってきて、一緒にうちでランチを食べた。娘は午後からも授業があるので、私も一緒にでかけ同じ電車に乗り、彼女は大学の駅で降り、私はそのままシティーに向かった。授業が終わるのが2時間後なので、ひとりでシティーをぶらぶらして、授業が終わる時間に合わせて娘の大学へ行きキャンパスを案内してもらうことになった。

何年かぶりのシティー。シドニーに住んでいたころは職場がシティーにあったので毎日のように来ていた。そのころに比べると店の数も増えているし、規模も大きくなっている。そして今は、メインストリートであるGeorge Streetにトラム(路面電車)が走っているではないか!メトロだけでなくトラムまででかしてしまった!また改めてシドニー、そしてオーストラリアの発展に驚かされた。。

大きな主要ショッピングセンターのうちのひとつであるPitts MallやQVBを見て廻る。オーストラリアのブランドショップがたくさんあり、センスが良くて素敵なものが多い。だが、以前に比べて物欲が著しく減退している私。いいなと思うものがあっても、これは本当に私にとって必要なものなのだろうかといったん考えるようになった。そして、それは大抵がいらないものなのである。物欲が減るということは、なんだか自分にとって心地良いことに気づいた。本当に必要なものって、物質じゃなくて経験であると思えるようになった。こうやって、過去の場所を巡るという経験もしかり。経験によっていろいろ感じ、考え、感動したり、幸せを味わったりね。

そろそろ娘の授業が終わる時間に近づいてきたので、電車に乗って娘の大学の最寄り駅まで向かう。道に迷うことなくサクサクと移動できた。電車の中で娘からラインが入り、今、授業が終わって駅までマミーを迎えに行くところだからね、とのこと。私が駅に着く時間とどんぴしゃりである。

無事、娘と落ち合い大学まで向かう。キャンパスが幾つかあり、今日、娘が授業を受けたところは5階建てのモダンなビルだった。メインキャンパスはレンガ造りの歴史ある建物で、その前にはオープンカフェでよく見かける大きなアンブレラの下にベンチがしつらえてあるものが芝生の上に点々と置かれている。キャンパスの中には緑がたくさんある。そこで、学生たちが勉強をしていたり、談笑をしている。カトリック系の学校なのでキャンパスの中には教会もある。ここで娘は勉強をして、青春を謳歌しているのだなぁ。。

キャンパス見学を終え、また電車に乗り、今度はオペラハウスまで向かう。オペラハウスの最寄り駅であるサーキューラーキー駅からオペラハウスまではハーバーを左にプロムナードを歩く。シドニーのシンボル、ハーバーブリッジとオペラハウスを同時に眺めることができる。ここも私の大好きな場所の一つだ。

今回シドニーに行ったら、絶対、夕暮れ時にオペラバーに行く!と決めていた。絶対という言葉はあまり好きではないのだが、それでも今回は絶対に行きたかった。このオペラバーはオペラハウスの前にあるオープンスタイルのバーである。夕暮れ時にオペラバーでお酒を飲みながら、ハーバーブリッジに沈む夕陽を観るということが私の脳内で明確にヴィジュアライズされていたので、実現すると確信していた。

少し早めの夕方にも関わらず、たくさんの人がいた。ほぼ観光客だったが、仕事を早めに終えたビジネスマンのような人たちもちらほら。満席に見えたが、テーブルに座っていた2人組のカップルが、もう席を立つからここに座ってという合図を娘に送ってきた。わ~、なんてラッキー!娘には本当にこういうことが多いのだ。良い人にはグッドラックが降ってくるのは本当のことなのである。まさに引き寄せの法則である。

果たして、そのテーブルからは絶景を観ることができた。オペラハウスが真ん前に見え、左手にはハーバーブリッジ。あと1時間もすれば太陽が沈みはじめ、美しいオレンジ色の夕暮れの空を見せてくれるであろう。お酒はアペロールスプリッツを頼もうか迷ったが、うちに帰ればアペロールスプリッツを飲めるので、久しぶりにウォッカ&クランベリージュースを頼んだ。これもシドニーに滞在していた時に良く飲んでいたお酒である。クランベリージュースは利尿作用があるので、海外のドクターたちは膀胱炎になった人にクランベリージュースを飲めと言う。これ、本当のことである。なのでこのカクテルは女性が好んで飲むイメージである。ウォッカ&クランベリーでCheers!! ああ、なんて幸せ。。大好きな娘と大好きな場所で、大好きなお酒を飲む。私に必要なものが全てここに揃っている。

2杯目はオーストラリアで有名な白ワインの品種であるソーヴィニヨンブランを。これも好きだなぁ。夏の暑い季節にはキリリと冷えたソーヴィニヨンブランが合うと思う。今日は春のような暖かさなので、すいすい飲めてしまう。

太陽が沈みかけて、想像していた通りオレンジ色の空になってきていた。太陽のオレンジと夜の始まりのパープルがグラデーションになっている空にハーバーブリッジが影のようになっていて、まるで絵画を観ているようである。またいつか絶対にこの景色を観に来ようと決めた。絶対にである。

夕陽を観終わり、うちに帰る途中の電車のなかで、さて、お約束の今日のディナーは何にしようという話になった。なぜだかわからないけど、妙にカレーが食べたくなったので、娘にそのことを言ったら私もそう思ってた!ということで意見が一致。今夜はうちでゆっくりしようということになり、Uber Eatsでオーダーすることに。検索したら出てくる出てくる、高評価のインディアンレストラン。オーストラリアはインドからの移民の人たちも多いので、美味しいインディアンレストランがたくさんあるのだ。検索を続けるとお値打ちで高評価のレストランをみつけた。そこでバターチキンカレーとシュリンプサグ(ほうれん草のカレー)、ナンとバスマティライスをオーダー。はい、もちろん美味しかったです。バターチキンのクリーミーな濃厚さ、さっぱりとしたサグカレーはシュリンプとの相性が抜群で深い味わいである。ああ、書いていて食べたくなってきちゃった。。

夜はジム・キャリーの映画「トゥルーマンショウ」を観る。人生のすべてをテレビのリアリティショーで生中継されていた男を描いたコメディドラマである。いかにもハリウッドらしいが私はそこが好きである。娘は初めて観たとのことだがとても気に入っていた。

いつものように娘と一緒にアペロールスプリッツを飲み、いつものように大きなワンコたちが私たちの横に寝そべっている。美味しいカレーも食べられた。そして今日はオペラハウスとハーバーブリッジを望む夕陽も観ることができた。

ずっと幸せを感じ続けられる、幸せな日々である。

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