本は私の生活に欠かせないものである。中には積読(つんどく)になってしまっている本もあるが、まだ読んでいない本があり、次に読む本がスタンバっている状態がなんともいえず好きなのだ。
若いころ読んだ書籍のカテゴリーは恋愛やミステリー小説、自己啓発、スピリチュアルなどだが、決して手を出さなかったのは経済や投資の書籍である。なぜなら、まーーーったく興味がなかったからだ。経済?投資?ふ~ん…良くわかんな~いという感じであった。以前、サンフランシスコの書店で働いていた時に、季刊誌で「会社四季報」という分厚く小さい雑誌を定期購読している日本人の男性がいた。いかにもきちんと仕事をこなすサラリーマンという感じの人だった。私はその分厚くて小さい雑誌を手に取ってパラパラ見てみたものの、株の雑誌なのねぐらいに思っただけである。それぐらい株や投資、お金について興味がなく、とにかく無知だった。
それなのに、50代になった今。投資やお金についての本を読むのがとても面白い。もちろん、有吉佐和子は相変わらず大好きで、この前ブックオフで見つけた「閉店時間」という本を今読んでいる。今まで見たことのない知らない作品だったので、ブックオフなのに800円という割高な価格だったのにも関わらず、即決購入した。これを読みつつ、投資本を並行して読んでいるのである。
最近、読んだ中ではずいぶんと前から話題になっていた「Die with zero」がとても興味深かった。
アマゾンによると、お金の貯め方ではなく使い切り方に焦点を当てたこれまでにないお金の教科書である、と紹介している。以下、抜粋。
・一刻も早く「経験」に金を使う
・「収入の〇割貯金する」をやめる
・子供には死ぬ「前」に与える
・45~60歳には資産を取り崩し始める
・「死ぬまでにやりたいこと」は時期で考える
・ゼロで死ぬ……
お金を貯めて運用して資産を増やそう!という書籍はたくさんあるが、この本のように、いかに自分のお金を使い切るかということを書いた本は数少ない。
この本に書かれているように経験にお金を使うという考えは私は大賛成である。しかもそれは少しでも若いうちが良いというのもうなづける。なぜなら、歳を重ねると一般的には身体が弱り、若いころに比べるとあちこちの自由が利かなくなる。もちろん、いくつになっても元気な人はいるが、それでも30代と80代ではどちらがより精神的にも肉体的にも稼働枠が大きいかというのは火を見るより明らかであろう。30代で持っている1000万と80代で持っている1000万とでは、そのお金でこの先、いくつの価値ある経験ができるか全く異なってくるのである。
子どもには死ぬ「前」に与えるというのも目から鱗だった。今、iDeCoをコツコツ積立で運用しているが、この本を読んでから60歳になりiDeCoを解約できる時期がきたら、すぐ娘に渡そうと思った。そのころ娘は24歳。未来は長く、さまざまな経験ができる年齢である。海外移住のための資金にするもよし、旅行するもよし、投資するもよし…。彼女の人生にとって素晴らしい経験のための手助けになれば母は嬉しい。
死ぬ前にやりたいことを時期で考える…私はとにかく海外旅行がしたいということは決まっている。おばあちゃんになっても、無理のない旅程を組み、身体が元気なうちは一人で飛行機に乗って海外旅行に行っている自分の姿を容易に想像できる。私にとって海外旅行は観光をしにいくのではなく、その国のその街に短い期間住みに行くという感覚なので、おばあちゃんになってもできるだろうと楽観的に考えている。海外だったらどこでもいいわけではなく、イタリア、スペイン、フランスに死ぬ前に何度も訪れたい。加えてオランダも最近興味が出てきた。この3か国+オランダのみ私の心を捉えている。自分の中にこの明確さがあるというのは今後の計画も立てやすい。何が好きかはっきりしている性格で良かった(笑)。
年を重ねてから、ゆったりと過ごすための場所にはイタリア、スペイン、フランス、オランダのどこがいいかな…と今のうちからいろいろ調べるのが楽しいのである。
あ、脱線してしまった。
ニューヨークタイムズ紙は「Die with zero」についてこう書いている↓
なぜ、この本は読むべき価値があるのか?
この不確かな時代に、誰も気にしている
2つの極めて重要な問題の核心に触れているからだ。
それは、「何のために貯金するのか」
そして「どのように生きるのか」だ。
50代のみなさん。残りの人生、どう生きますか?
Have a great day!!
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